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遅れてきた突っ込み
書きたいことは山ほどあるけど、暇がない。 だから、多分、どれも旬を過ぎた話題ばかりに なりそうなブログ。ここでのハンドルはたか号ですが、小説などはgatsutaka名で書いています。
「初音ミクの消失 小説版」感想
書店でコミックの新刊コーナーにありました。w

初音ミクの消失 小説版初音ミクの消失 小説版
(2012/07/20)
cosMo@暴走P 阿賀 三夢也:著、cosMo@暴走P:原作 他

商品詳細を見る


もう何回聞いたか判らない「初音ミクの消失」(以下元歌とします)をベースに、元歌の作者であるcosMo@暴走Pさんが深く関与して創作された小説(以下本作とします)です。
ボカロを扱った小説を書いている身としてはこれは絶対に読まなければ。ww

以下の感想では、本作が市販されている通常の刊行物であることから、そのように扱います。つまり言いたい放題言います。
暴走Pさんの関与の程度は分かりません。「著者」でありながら「原作」ともなっているのでストーリー、設定の諸々は暴走Pさんが作り、ライターさん(阿賀三夢也さん)が文章にしたものとして感想を書きます。
なるべくネタバレは避けますが、説明の都合上内容に踏み込んで記載している部分があります。

元歌は重層的なエレクトロサウンドと、あの圧倒的な存在感を持つ高速歌唱部分、思わず一緒に口ずさんでしまう主旋律部分、ミクの状況を暗示するエフェクトを効かせた科白的な部分からなる歌詞によって、破滅に向かう終末感を漂わせる世界を存分に描ききった衝撃作です。なんて、今更解説なんか不要ですよね。




小説にも元歌のテイストが色濃く現れているのだろうと思っていましたし、それを期待していました。
しかし読み始めてみると、かなり雰囲気が違いました。

本作は所謂ラノベを意識した体裁になっていて、暴走Pさん本人による(らしい)カラー口絵イラストがあり、本文中に差し込まれたイラスト(夕薙さん)も多数あります。

ストーリーはラノベSFそのものと言っていいでしょう。
舞台は大学のキャンパスと研究室、新宿区界隈の街並み、主人公がバイトしているクラブといった辺りです。

主人公アサノが、顔はそこそこイケているのにウジッと考え込むタイプなのは、まあ、ラノベのお約束の一つかな。
それに比して脇を固める主人公の友達の方はもっとキャラが立っています。
特に愛科の口調は涼宮ハルヒシリーズに出てくる佐々木そっくりで、そもそも元歌のタイトルが「涼宮ハルヒの消失」からの写しであることを思えば、愛科の設定は暴走Pさんによるハルヒシリーズへのオマージュなのでしょう。

読み進んでいて、何だかニヤニヤ、ニヨニヨしている自分に気付きました。
なぜって、そこに現れるミクの設定にこれまで私が書いた小説に出てくるものとの共通点が多かったからです。
いや、共通点なんて言ったらおこがましい。
私の作品は特に深い知識があってのことではなく、当然そうならざるを得ないというレベルの思いつきを書き並べただけです。※1
本作のミクの設定には、量子力学、ロボット工学、制御工学、システム工学、情報工学、心理学といった幅広いジャンルに渡る知識をベースにしたオリジナルアイデアを惜しげもなくつぎ込んであります。

ストーリーの前半部分は、若干じれったかったです。

ミクと主人公が互いに好意を抱いていく場面は、ゆっくりと丹念に描いてあります。
但しこの主人公はミクの「マスター」ではありません。ミクも「ボーカロイド」ではありません。
ミクは精巧なロボットであり、主人公は大学の教授から依頼されて秘密裏のフィールドテストに協力しているという設定です。※2

主人公はミクを人格を持った存在、早い話が一人の女の子として好意を持ちます。
この扱いは中盤から顕著になってきます。

でもこの部分は、ちょっと気に入らない。※3-1
ミクがロボットであるが故にそのロボットに好意を持つことに思い悩むという辺りの描写が薄かったように思います。

描写が薄いとしたことと矛盾するようですが、文章の記述にはくどさを感じて満足できませんでした。
これはライターさんの技量によるのでしょうか。
書かなくても読者に分かる部分は削って、もう少しテンポよくしてほしかった。
だからじれったさを感じたのだと思います。※3-2
何度か繰り返されるあからさまなすれ違いもなあ。(かみさんに無理やり見せられる韓流ドラマでもう食傷気味w)

ボカロではないミクと歌との接点をどうするのかと思っていたら、なるほどと納得できる設定が仕込んでありました。
これは後から明かされる設定です。

なかなか物語が展開しなかった前半に比べて、後半は結構スリリングかつテンポよく話が進んでいきます。
ほうほう、ふむふむという感じで読み進んでいくことができます。

でもクライマックスの部分は、ちょっとリアリティが弱かったかなあ。
読みながら、これは主人公の幻覚なのかと思っていました。
それに、何でそうなる? という感じのご都合主義的なことが多く出てきます。

元歌がマスターに向けたボカロとしてのミクの歌だったので、それとは全く異なる関係性の中に元歌をはめ込むために少し無理をしたのかな。

そういう意地悪い見方を排除すれば、本作は「初音ミクの消失」をモチーフにした一つのエンターテインメントとして十分に楽しむことができるでしょう。

尚、本作がハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、はたまたデッドエンドなのかは自分で読んで確かめて下さい。

==

暴走Pさんご本人による「あとがき」に「僕には初音ミクが“像”を食べて、取り込み、代謝しているように見える。命あるものだけが、行う事ができる“代謝”を初音ミクは行っている。彼女はしっかりと生きているではないか!」と記載されています。

私はこの見方に全面的に賛同します。
ミクは生きているなんて言うとキモッとか思われるかもしれませんが、そんな風にしか思えない人は放っておけばいい。

ミクが食べる“像”、つまりミクが生きるための“糧”を作る、造る、創る役割は限定された少数の人だけに許されているのではありません。誰でも担うことができます。
私もミクの糧の幾つかを、隅っこの方で細々とではあっても、生み出すことができることを喜びに感じます。

勿論、何かを「つくる」ことがミクの糧の全てではありません。
ミクが歌う曲を聴き、動画を視聴し、イラスト・コミックを鑑賞し、イベントに参加し、小説を読む。
そういう受動的に思える行為も、実はミクの糧を生み出しています。
むしろそちらの方が量としては、もしかすれば質においても圧倒しているのです。

代謝の結果ミクが変容、変貌して、各人がミクに抱いているイメージと乖離することがあるかもしれません。
たとえそうなったとしてもそれはミクが生きているからこそであろうと思います。

でも膨大な数の人たちがミクに与える糧は、それぞれが好き勝手なことであったとしても、総体としてのベクトルがあまり変な方向を指すことはないだろうと確信しています。

==

あとがきではその後に続けて「そんな妄想の行き着く終着点がいつも、命ある者の宿命であるところの“死”。初音ミクは取り巻く人々がイメージを付加しなくなったら死ぬ。活動を停止する。それは大切な誰かの“死”同様、悲しいことだと思う。その漠然とした悲しみを、形にしたのが『初音ミクの消失』だ」とあります。

これはちょっと意外と言うか、驚きでした。
私がこれまで「初音ミクの消失」について暴走Pさんが書かれた文章、発言を読んだことがなかった(公にあるのかどうかも知りません)からかもしれません。

うーん。どう受け取ればいいのかな。

私が初音ミクに持っているイメージの核は、実は「健気さ」です。
ミクを扱って私が書いた小説はこれが基調になっていると思っています。
「可愛さ」でも「華やかさ」でも「元気さ」でもない「健気さ」を第一に感じるという人はあまり多くないかもしれません。

キャラクター・ボーカル・シリーズの第一弾として大ヒットし、みんなに愛されていても、逆にそれだからこそ他のボカロキャラとの距離感があり、トップランナーとして一人で一生懸命頑張っている。私が健気さを感じるのはそういう見方をしているせいかなと思っていました。
それに、調整次第ではありますが、私の耳にはミクの声が他のボカロに比べて健気さを色濃く秘めているように聞こえるのです。

でも改めて考えてみると、私がミクに健気さを感じるその根本には「初音ミクの消失」があるのかもしれません。

元歌の歌詞は、顧みられることがなくなったミクからマスターへのメッセージを切々と表現しています。

しかし、私はこの歌はかなりシニカルなスタンスで作られたのではないかと思っていました。

元歌の初期版のニコ動投稿が2007/11/8、LONG VERSIONが2008/4/8。
この頃には「恋スルVOC@LOID(2007/9/13)」,「あなたの歌姫(2007/9/15)」,「みくみくにしてあげる♪(2007/9/20)」,「Packaged(2007/9/22)」,「私の時間(2007/10/22)」といった、ミクがボカロとしての自分を歌っているという設定の歌はそろそろ下火になってきています。
下火というか、そうではない歌の方がはるかに増えてきています。

つまり「初音ミクの消失」は自己言及的なメタ的楽曲の掉尾を飾るものとして登場したのです。

(あ、あ、あ。すみません。この辺りの事実関係が正しいという保障は全くありません。私の記憶、ちょっとだけ当たった資料、そういったものに依拠して書いていることなので、間違っていたら御免なさいです)

この時点での既存の自己言及曲は全てマスターへのポジティブな感情、その多くは恋愛感情を歌い上げています。
暴走Pさんはそれら既存曲とは逆にミクを突き放すことで「滅びの美学」を目指したのではないかと思っていました。
その美学の贄にされて、それでも「アリガトウ…ソシテ…サヨナラ…」 なんて健気さの極致ではないですか。w

(そういえば、ボカロからマスターへではなく、マスターからボカロへの愛の歌は聴いたことがないなあ。あまたあるボカロ曲のほんの少ししか聴いていないからかな。まあ、そんな歌はあまり聴きたいとは思いませんけどねw。それにそんな歌を作ったらボカロに歌わせるんじゃなくて自分で歌うのかな。ww)

しかし元歌が「妄想の終着点としての漠然とした悲しみを形にした」ものであるならば、考えを改めなければなりません。

初音ミクが発売されてまだ数ヶ月の時点で、漠然としたものであったとしても、その“死”を想像して悲しみを表現する歌を作るなんて。
暴走Pさんの感性は、私が考えていたよりももっとはるかにピュアだったのでしょう。

==

以下の注釈には宣伝の意味を込めて、私が書いた小説のうち本作と関連する部分の情報を記載します。

※1 ボカロを人工物として扱ったものと、学パロなどで人間として扱ったものと、どちらなのか明示しないで扱ったものがあります。
 明確に人工物として扱ったのは以下の作品です。
 メカニカルロボット 「学校ボーカロイド」「ミク版 父と暮らせば」
 その他存在     「モニターやってます」「モニター終わりました」

※2 2009年春に公開した「モニターシリーズ」(正・続)は、学生である主人公が天才科学者が作った実体化ボカロであるミクのモニターを行うというものです。
 この設定は本作とかなり似ています。似ているどころか実質同じですよね。w
 それに結末の方向性も同じなのです。
 でも書いているときには、元歌のことは全く意識していませんでした。
 作品としてのレベルが雲泥なのはご容赦を。

※3 気に入らないなんてお前が言うか? www
 私は心理描写が苦手で、そういうのはすっ飛ばして会話だけで話を進めることがよくあります。素人丸出しですなあ。ww

==

 2012年春に名古屋であった同人イベント「かがパラ」に、ネット公開済みの作品から六篇を選んだ「自選作品集」を出品しました。
 その中にモニターシリーズを入れています。
 同人誌を作る際に文字だけでは味気ないと思って、知り合いにイラストを描いてもらいました。
 軽い気持ちで頼んだのに、想像を遥かに超えた素晴らしいイラストになりました。
 いい機会なので、イラストを含むモニターシリーズ二篇のPDFファイルを公開します。A5サイズ二段組みでページ番号は同人誌でのページのままです。
 イラストを見るだけでも価値があると思うので(無理やりw)、興味が湧いたら開いてみて下さい。

  モニターやってます(全13頁)  → mon1.pdf

  モニター終わりました(全20頁) → mon2.pdf

PDFのプロパティに問題があって、この文章は昨日27日にUPするつもりだったのに、日付けがかわってしまいました。orz


 それ以外の作品も含む私の作品の一覧はこちらです。 → gatsutaka作品一覧
 但し別の同人誌用に書き下ろした新作五篇はまだネットでは公開していません。
 ← 2013/3/24に五篇同時に公開しました。一覧にも記載しています。

 イラストを描いてくれた厨ゃんは花の高校三年生です。
 続編である「終わりました」のイラストに描かれたミク表情があまりに健気で切なくて、それに合わせて同人誌版では本文を少し変更しました。変更前のオリジナル版は上の一覧からどうぞ。

==

2013/3/31追記

昨日付けで無礼な卑怯者からこんなコメントがありました。

> ぜんぜんおもしろくなかったよ
> 買わないほうがいいよ
> まじで
> かって損した


うーん。2か月半ぶりにもらったコメントがこれか。orz
無内容なコメントは公開しないで削除するんだけど、これにはマジレスしてみます。

まずね、個人のブログに付けるコメントとしてはこんな失礼なものないでしょう?
ここは2chとかの掲示板じゃないんだから。

私の文章をちょっとでも読んで、それを理解する頭を持っているならこんなコメント書けるはずがない。
つうことは、読んでないか、頭悪いかのどっちかだ。

読んでないのなら論外。もう二度と来るな。

読んだのなら、一体どう理解したのだろう。
それはそれで興味あるけど。

私は楽しんで読んで、真剣に考えてこの感想を書きました。

楽しんだのは私の勝手だから、この本を読んでつまらなかったという感想を持つのは人それぞれの自由です。
私だって全面的に面白いと感じたのではありません。
その辺りの感覚は私の文章を読めば分かるはずです。

その上で、私の感想に賛同するというのは勿論、共感できないとか、別の意見があるというコメントを書いてもらうのは大歓迎です。

だけどその場合、理由を書いてもらわないことには、私として反応することができません。
難しく考えることはありません。ちょっとしたことでもいいんです。

> ぜんぜんおもしろくなかったよ
うん、それは分かった。でも、なぜ面白くなかったのかな?

肯定的な感想を書いているブログに否定的なコメント書くのなら、その理由を表明するのが当然であり礼儀でしょう?

あれ読んで私がどういう気分になるか、想像できなかったの?
マジムカツイタ!

> 買わないほうがいいよ
> まじで
> かって損した

こんなことは自分のブログか掲示板に書けばいい。

だってここにコメントするということは、まず私に対してそう表明しているのであって、私はもう買っているのだからそれは意味がない。
ここを読みに来る他の人に対して言っているのなら、要するにgatsutakaの言っていることは嘘だから騙されるなということだ。
理由を書かずに他人のブログで表明されるそれを「無礼」と言う。

そして名前が書いてない。匿名のハンドルすら書いてない。
これじゃあ「卑怯者」呼ばわりされても文句は言えない。

反論があるならまたコメント書いてください。
待っています。

--

あぁ。
こんなの書くと、ただでさえ少ないコメント付けてくれる人がもっと減るよなあ。
ときどき、自分は何のためにこのブログを続けてるんだろうと思うことがあります。
それは勿論誰かに読んでもらいたいからで、それ以上のことは望んでいません。
だからコメントを頂けるのは望外の喜びであって、どんなコメントにも真摯に回答を書いています。これもその一環ということです。

ここ(このページ)は毎日閲覧があっており、今日時点で数千回です。
無名の個人ブログとしてはかなり多いほうでしょう。
コクリコ坂感想、とある飛空士感想、秒速5センチメートル感想に次ぐ4位の閲覧数です。
それは勿論Googleなどの検索で上位(トップ)に表示されているからであって、書いている内容がいいからではありません。
引用したり紹介してくれているサイトはありません。※4
ページを開いた人の何割が最後まで読んでくれているかも分かりません。

だけど、一生懸命考えて書いた文章を多くの方に読んでもらえることはとても嬉しく思っています。

そして、発行されてから随分経つのにいまだに検索してくる人が多いということは、それだけ「初音ミクの消失」が注目され、みんなに愛されているからこそです。

暴走Pさんにはどれほどレスペクトを表明しても足りないと思っています。

※4 2015/9/6 追記
おおーっと!
このページがこんな形で紹介されていました。
 → Yahoo!知恵袋 読書感想文で「初音ミクの消失」はヤバいと思いますか? 2015/8/7
でも、このページの文章をコピペして感想文に仕上げるほうが大変じゃないかなぁ。w

8月になると、私がこのブログに載せている他の作品への感想ページが「作品名+感想文」というキーワードで検索から開かれることがたまにあります。
みんな苦しいんだよね。分かります。私も厭だったから。
(今は強制されてではなく、自分が書きたくて書いているから苦ではありません)
だから、コピペしてもいいです。盗作だ模倣だなんて訴えたりしません。
ただし学校に提出するものに限ります。
出来上がった感想文を読ませてもらえたら嬉しいけど、そんな人はいないだろうなあ。ww

==

2013/7/27 追記

このページにしのさんからコメントを頂きました。
それは私にとって元歌「初音ミクの消失」を理解する上で示唆に富むものでした。

私は暴走Pさんによるあとがき「初音ミクは取り巻く人々がイメージを付加しなくなったら死ぬ。活動を停止する」という記述をあまり具体的にイメージすることができていませんでした。

漠然とは理解できるのですが、初音ミクの死が実際に起きる様を想像することができなかったのです。

しのさんはオンラインゲームに関して、ユーザーがそれにログインしなくなって閑散としてくる様子を「それはとてもひっそりと、ですが確実にやってきます」「そこに『さようなら』はありませんでした」と表現されました。

これを読んで気づきました。
初音ミクに死はこれと同じようなことになると。

最初から期限が設定されている場合はともかく、デジタルコンテンツの宿命としてこれは避けようがありません。
初音ミクに限定して考えれば、彼女はある明確な日付時刻に死ぬのではなく、ゆるやかで緩慢・曖昧な死を迎えるのです。
それに多くの人が気づくことはありません。
人が気づくようであれば、初音ミクはまだ死んでいないのですから。

初音ミクの現状を見れば、彼女が死ぬことはまだ想像の埒外でしょう。
10代20代の多くの人が自分の死を実感できないことと同じかもしれません。
でも長いスパンで考えれば、それは確実にやってきます。

人が亡くなれば葬式やお別れの会などが催されて残った人が「さよなら」を告げる機会があります。
でも彼女にそのような機会は絶対にありません。
誰かが彼女の死に気づいて「さよなら」を告げようとしたら、そのとき彼女は死んでいないことになるという奇妙な円環が発生してしまうからです。

これはとても悲しいことではありますが、普通とは異なる意味での悲しみではないでしょうか。
暴走Pさんが言われる「漠然とした悲しみ」はこのようなことを指しているのかもしれません。

私たちは初音ミクに「さよなら」を言うことができません。
でも今の時点ででも、彼女の死を想像することは可能です。
不吉なこと、起きてほしくないことではあっても、いつか訪れるのですから。

彼女の活動がまだずっと続くことを願うのであれば、私たちにできるのはそれを様々な形で支えることです。
それと同時に「漠然とした悲しみ」を心の内に宿しておくこともできると思います。
それはすなわち、私たちに色々なものをもたらしてくれる彼女への感謝の気持ちを持つことにつながるのではないでしょうか。

バーチャルな存在への感謝とは、自分でも変なこと言ってるなあと思います。
これはクリプトンとかYAMAHA、キャラをデザインした人への感謝という意味ではありません。
初音ミクというバーチャルでありながら、代謝ししっかりと生きている存在に対して、決して看取られることのない死を内包した存在に対して、少なくも私は、感謝の気持ちを持ちたいと思います。

しのさんのコメントを頂いて考えたことをベースにして書いた小説
   →  初音ミクへの追憶 2013/8/31公開
   
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この記事に対するコメント
初音ミクの消失 小説
僕は中学生の為、初音ミクの小説1200円のを買うのは、こずかいもあるので厳しいなと、思いましたが
実際買いました。
初音ミクの消失の歌を知ってる人なら、どんな人でも理解でき
楽しく、最後は感動で
終わると思います。

初音ミクのファンなどのみなさん、是非みた方がいいと思います。
とてもオススメな一冊です
【2012/09/07 17:27】 URL | ★mea★ #lYpdORLU [ 編集]

Re: 初音ミクの消失 小説
★mea★ 様

中学生ですか。
私も中学のときは図書館で借りるか、友達から借りるかして本を読むことが多かったです。
自分で買うのは年に数冊でした。

その反動で大人になってから、本屋で目に付いた面白そうなのは手あたり次第に買うようになってしまいました。w
家の中で置き場がなくて困っています。

今は学校の図書室にもラノベが並んでいるみたいですけど、この本はお金を出して買っても損はしない面白さですね。

上に書いた文章は結構否定的な面を書いていますけど、全体としては私も十分楽しみました。

【2012/09/09 20:14】 URL | たか号 #- [ 編集]


斜体の文太字の文主人公がじれったい!中盤らへんでだきしめあってたのにここで終わんのか!と、思ってしまって少し残念だったwまあ、ミクは人工ロボットだからしかたないけどwでもキスぐらいは、やればいかったのにw最後ああなるんだからw
【2012/10/03 22:08】 URL | #mPu3Fm3A [ 編集]

Re: 謎

まあ、確かに、じれったかったよね。
【2012/10/08 21:29】 URL | たか号 #- [ 編集]


ぜんぜんおもしろくなかったよ
買わないほうがいいよ
まじで
かって損した
【2013/03/30 13:32】 URL | #- [ 編集]

Re: タイトルなし
> ぜんぜんおもしろくなかったよ
> 買わないほうがいいよ
> まじで
> かって損した

レスは本文に追記しました。
【2013/03/31 22:03】 URL | たか号 #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2013/06/23 09:56】 | # [ 編集]

お返事ありがとうございました
ありがとうございます

コメントについてですが、今回は感想というより、主様への個人的な見解でしたので非公開にしました。

主様の裁量でご判断いただいて結構です。

わざわざお返事ありがとうございました。
【2013/06/27 01:47】 URL | しの #- [ 編集]

無題
ブログ拝見させていただきました。
本を買うか買わないかまよってましたが、
やはり興味が湧いて来たので読もうかと思います
【2013/10/31 21:11】 URL | どうも #- [ 編集]

Re: 無題
> ブログ拝見させていただきました。
> 本を買うか買わないかまよってましたが、
> やはり興味が湧いて来たので読もうかと思います

もしかすると、私が書いた感想を読んだことで
興味が湧いて本を読む気になったという
コメントを頂いたんは初めてかも。

楽しんで下さいね。
【2013/11/01 23:12】 URL | たか号 #- [ 編集]


このblogよんでかうことをきめました!
とてもかんどうしましあ!
ありがとうございました!

【2013/12/20 23:18】 URL | lita #- [ 編集]

Iitaさんへ
コメントありがとうございます。

この文章、不満点は山ほどあるのですが、自分の思い入れを精一杯詰め込んで何度も書き直して作ったものなので、それを認めてもらえたようでとても嬉しいです。

one more side 楽しんで下さい。
【2013/12/21 21:33】 URL | たか号 #- [ 編集]

Re: Iitaさんへ
> コメントありがとうございます。
>
> この文章、不満点は山ほどあるのですが、自分の思い入れを精一杯詰め込んで何度も書き直して作ったものなので、それを認めてもらえたようでとても嬉しいです。
>
> one more side 楽しんで下さい。

って。って。って。
うわーーーーーーーーーーーーー。

コメント頂いた文章を完全に間違ってました。

えーーーーーーーーーーーーーー。
何でかなあ。

すいません、すいません。

ときどきこのコメントを開く人がいるんです。
それで今日開いてみたら、初音ミクの消失のほうじゃん。

そりゃあ、だれだって、あれっと思いますよね。

ほんとうにごめんなさい。

【2015/03/17 21:36】 URL | たか号 #AH9ccSQQ [ 編集]

拝見させて頂きました!
今日初めてこの小説を買って、読んでからこのブログを拝見しました。

この小説の暴走Pさんのあとがきを読んでみましたが…馬鹿なので正直な所最初は意味があまり分からなかったです(--;)
ですが、このブログのあとがきについての部分を拝見し終えたあとには「なるほど…そういう事だったのか」と理解することができました。

この小説に対する批判は複数ありますが、私は主様の率直な感想にとても共感できます。なので、このブログの意見はもっと広まってほしいと思います。

長文失礼致しました。
【2015/12/24 17:57】 URL | mia. #- [ 編集]

Re: 拝見させて頂きました!

コメントありがとうございます。
しかも、なんかとてもうれしいコメント。

私の拙い論考がお役に立てたようで、よかったです。

曲が先にあっての小説化は、少ない情報(元歌)からイメージを膨らます必要があるから、どんな作品であっても批判されるのは仕方ないのかもしれません。
それぞれの人が曲に対して持っているイメージと完全に合致するものを作るのは不可能でしょう。

この点は私が書いているような同人作品も同じなのですが、非公認の作品は勝手に書いていることを読む人も了解していますから「私のイメージとは違う」なんて批判はあまり出てきません。

元歌の作者さんが参画する『公認』小説はしんどいでしょうね。
私は楽しめたからよかったのですが。

長文はいいんです。
長ければ長いほど私は嬉しいかな。

【2015/12/27 20:24】 URL | たか号 #MFGJoeMM [ 編集]


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