su
FC2ブログ
プロフィール

たか号(gatsutaka)

Author:たか号(gatsutaka)
コンタクトは下のアドレスもしくはコメントでどうぞ。
過去の古い日記へのコメントも大歓迎です。
garei#mars.dti.ne.jp
#を@にして下さい

ボーカロイドを扱った自作小説の一覧は→こちら
です。


そして、とうとう、とうとう、
ツイッター始めました。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ネフレンを愛でる会

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

遅れてきた突っ込み
書きたいことは山ほどあるけど、暇がない。 だから、多分、どれも旬を過ぎた話題ばかりに なりそうなブログ。ここでのハンドルはたか号ですが、小説などはgatsutaka名で書いています。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「ペンギンは空を見上げる」 八重野統摩 感想


いやあ待った。待ち望んだ。
amazonのサイトを開く度に「八重野統摩」で検索をしていました。
前作が2015年6月だから丸三年振りの新作です。
待っただけの甲斐がありました。

ジュブナイルだよ。
頭のいい理系の男の子だよ。※1
A boy meets a girl. だよ。
大好物のてんこ盛りだ。w

本作は推理小説の老舗である東京創元社から出版されています。
私は所謂ミステリーは好みません。積極的に読むことはしません。
「謎解き」が嫌いなのです。それと、なぜ皆さん「殺人事件」が好きなんだろうという素朴な疑問もあります。(小説に限らずドラマでも映画でも)

本作はミステリ・フロンティアというシリーズの一冊ではありますが、「ミステリー作品」ではありません。
私はそのように捉えています。
だけど、矛盾するようですが敢えて言えば「上質のミステリー」でもあります。

ハルはちょっと頭良すぎか?
それと頑なさが少し不自然。
小学生で神様をそこまで否定するかあ。
頑なと言えばイリスもそう。

ええ、見破れませんでした。  ← これ、ある意味ネタバレ

読み終わったら分かります。
イリスは頑なでなければならないし、ハーフの金髪美少女でなければならないのです。
ハルは頭が良くて当然で、頑なになるのも自然で、神様の不在を確認したい気持ちも納得できます。

八重野さんが作る物語には「明瞭な輪郭」という特徴があって、それがとても心地いいのです。

余談ですけれど、私もアブラハムの宗教で言うところの唯一絶対の創造神はいないのだろうなあと思っています。
これ不用意に言うと全世界の数十億人を敵にしてしまう。
でも私は完全な無神論者ではありません。
日本でこの種の話をするには「神」や「不在」、「認識」という言葉が何を指すかあやふやな面があるので注意が必要です。
それと、ガガーリンの科白の後半は、多分ですが共産主義の唯物論を意識したものだから、ハルが考えている文脈とはちょっと違うのかもしれません。
逆に立花隆さんの宇宙からの帰還 (中公文庫)にもあるように、宇宙飛行士が神秘体験をするのは珍しいことではありません。

ところで子供の将来の夢にNASAという組織が上がるようになったのはいつ頃からなのでしょうか。
私が最初に目にしたのは森下裕美さんの「少年アシベ」かなあ。「ここだけの二人」だったかもしれない。
でもね、ハル君。NASAやJAXAでなくてもロケットの仕事はできるんだよ。
そうか彼はそんなこと知っているのか。センス悪いって言ってたもんなあ。
それには同意するけど。うーん、まあ、そんな会社だけど。歓迎するよ。

とかなんとか。
感想のような、そうでないような文章を書いてきました。
内容に踏み込むとたちまちネタバレになりそうなのでそれは避けたいのです。


本作品は多くの人に読んでもらいたい。
これまでの八重野さんの舞台だったメディアワークス文庫と違ってキャラとしての登場人物のイラストは無いし、本の値段は3倍くらいするし、書店で目立つコーナーに置いてもらえそうなシリーズではないし、ハンディは大きいです。
でも小学生から大人まで楽しめる作品だと思います。

それと、燻っていた八重野さんを拾い上げて本作を書かせてくれたことに対して、東京創元社の担当者さんには感謝を「伝えたい」です。
あなたは見る目を持っている。

最後に考えるのは本作品の映像化。
これはそのままでは不可能。
映像化する人の工夫次第なので、もうその時点で本作とは異なる物になってしまうでしょう。
でもチャレンジャーが現れることを期待します。

※1
理系かどうかは重要ではありません。
私も理系だから興味の対象や世界の捉え方、物事の受け止め方の重なる率が高いというだけのことです。
また頭がいいというのは、IQが高いとか学校の成績がいいとかいうことを評価しているのではありません。
周囲に引きずられず自分の意志で行動できることをここでは頭がいいと表現しています。
そうではない、女の子の言いなりになって振り回される主人公が多いですからね。

====

以下は、2015年7月31にここまで書いておきながら、結局このブログで公開しなかった「終わりの志穂さんは優しすぎるから」の感想です。
もうちょっと書きたかったのです。

さすがにもう新しいエントリーを立てる気にはなれないので、おまけとして載せます。

追記や変更はしていません。
なので尻切れになっています。


====

八重野さんの文章に浸る至福の時間は7/21-22のたった二日で終わってしまいました。

前3作が、2つは高校生を主人公にした青春物、3つめが犯罪エンタメだったのに対し、4作目となる今回はちょっと毛色の変わった「ライトホラー」でした。

読み終わった今になって、帯に書いてある「ライトホラー」という言葉を目にしていなければよかったなあと少し後悔しています。
二章まではそれを想像させる要素はあまり出てきません。一章の蓮池の話はそれっぽいところもありますが、浩一郎による謎解きでホラーではないことが明らかになりました。

なので、二章までを読み終わった時点では「あれ? 帯に何か書いてあったよな。ホ何とかとか。あぁ、気のせいか。うん、そうに違いない」なんて自分に言い聞かせていました。
(私は読み始める前にカバーと帯を外してしまうのです。変に曲げたり、汚れたりするのを防ぐためです。だから読んでいるときはそれを目にすることがありません。
次回作のときは、帯に目を落とす前に外してしまおうかと思っています)

勿論ホラーであることは覚えていました。

でも、それが明かされる三章がホラーや超常的な内容ではないこと、少なくとも浩一郎、志穂、紫杏の3人は「そう」ではなく、その周辺で発生することがホラーであるということを暗に願っていたのです。
ホラーがらみの単純なハッピーエンドを願っていたのです。

でも、明示している帯の言葉を意識から追いやったとしても、本作のタイトル、そして三章のタイトルはそんな願いが叶わないことを示していました。
そしてカバーイラストと、扉イラストの違いもそれを示していました。

それにしても、タイトルもイラストの違いも騙しですよね。
見事にまんまと引っ掛かったなあ。

プロローグ、一章、二章に沢山のヒントが含まれていました。
騙されていた私はそれらを完全に見誤っていました。

でも口惜しくなんかありません。
騙されていてよかったと思っています。
騙されていたからこそ、三章をその分余計に楽しむことができたのですから。
(負け惜しみじゃないよ!)

三章の終わりまで読んで、本作をいい話だとか、泣けるとかそんな風に表現することはできないと思いました。
その理由を言葉にすることはできません。
だって、「そんな風に表現することはできない」のに、それと全く逆に、本作は「いい話であり、泣ける」と思う私もいるのですから。

なぜだろうなあ。

救いがないってことでもないのです。
紫杏は多分、自分の呪いから救われています。
それはとってもいいこと。

ひいおばあさんの幽霊譚も浩一郎の解釈でとても救われたことになっています。
それもとってもいいこと。

だけど。うーん。

無理して言葉にすれば、「時間が戻らない」からかなあ。
戻ったとしても、やり直せるということでもないですしね。

これ以降の内容に関する感想はネタバレを含むため、ReadMoreにします。

==

私は他人様(ひとさま)の文章を評価するとき、どこに着目するか明確な基準はありません。
評価なんて言い方自体かなり傲慢ですけどw まあ自分の好みに合うかどうかという観点なのでご容赦下さい。

絵画だったら、描かれている対象・テーマ、構図、タッチ、色使いなど、それぞれの絵で自分がどこを気に入ったかが比較的解り易いです。
別の言い方をすれば、自分がどこを気に入ったか言語化してそれを他の人に伝えることが可能な場合が多く、且つ私が何を言いたいかをその人にある程度共有してもらえるであろうということです。(できないこともありますけどね)

それなのに、言語そのものである文章に関しては、自分がその文章のどういう点を気に入ったのか、それを他の人に伝えるのはかなり困難です。
例えば「リズム感がいい」と表現したとき、それを聞いた人が私が使った「リズム感」という言葉を私と同じ意味で理解してくれるかどうか、甚だ怪しいです。

でもそんな言い訳で説明を放棄するのは感想を書く態度として不誠実だと思いますので、何とか言葉で表現してみます。(←自分でハードルを上げてどうする!)

八重野さんの文章は奇を衒ったり、ラノベなどによくある読者層に媚びたりすることのない、ごくオーソドックスなものだと思います。

読んでいて、描かれている情景や登場人物の心理がすんなりと入ってきます。

以前、「プリズム少女」の感想でこう書きました。

  各場面で無駄な解説の文章が省いてあるということです。
  私はそのような心地よい緊張感のある文章が好みです。
  くどくどと解説があったり、先が読めてしまうフラグが書いてあるのは嫌なのです。

「還りの会で言ってやる」の感想では「リズム感、文章の冴えが気持ちいい」と書き、八重野さんの文章で好きな点として以下の3つを挙げました。

1)その後の展開を暗示するフラグの扱い方
2)主人公の内心と会話部分のつなぎの妙
3)常套句を使うことへの含羞と、あえて使う場合の言い訳のスマートさ


「犯罪者書館アレクサンドリア」の感想ではこう書きました。

  六彦は、宮廷大である西都大、つまり旧帝大の京都大学学生ということで、その頭脳の冴えはよかった。
  彼の語りで進行する物語が、八重野さんの文章に特有なリズム感とうまくマッチして  無駄な描写がありません。
  私はこれを待っていました。

それぞれ表現が違いますが、言っていることは大体同じです。
基本はやはりリズム感です。

これ勿論、例えば七五調など音読した場合に調子がいいとかそういう意味でのリズム感ではありません。

イライラしたりうんざりしたりするような無駄な部分がなくて、スッキリしているという意味で使っています。

一般的にはテンポ感とでも言ったほうがいいのかもしれません。
しかしテンポがいいという場合は、物語の展開を指す場合のほうが多いでしょう。


スポンサーサイト
この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://gatsutaka.blog26.fc2.com/tb.php/419-ea04c8dc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。